この記事でわかること
- 求人一覧に社名が載っていても、その紹介会社がその会社に人を入社させた実績があるとは限らない。最初の面談で確かめる5つの質問
- KENSETSU-Xの掲載求人39,193件のうち、担当者がつく求人は1,226件。工種によっては公開求人を自分で探さないと、比べられる会社が限られる
- 手数料を払うのは入社先の会社で、その仕組みが担当者の動きと会社の選考に表れる
建設の転職エージェントを調べると、「おすすめ15選」のような一覧がいくつも出てきます。どこも建設業界に強く、非公開求人が多いと書いてあって、比べようがありません。
同じ迷いは、求人を出す会社にもあります。採用担当から直接聞いた話では、「料率が高い分、質の高い人材を確実に紹介できる」と言われて紹介会社と契約したのに、3か月たっても1人も紹介されなかった会社がありました。求人一覧に社名が載っていても、その紹介会社がその会社に人を入社させた実績があるとは限りません。
エージェントは、求人の数より、希望する工種とエリアの会社に紹介した実績で選ぶと外れにくくなります。この記事では、エージェントの種類と持っている求人の違い、手数料の仕組み、最初の面談で担当者に聞く5つの質問を用意しました。KENSETSU-Xの掲載求人を数えて、担当者がつく求人と公開求人の件数の差も出しています。
施工管理を中心に、建設業で転職を考えている方に向けた記事です。「登録したら、希望と違う求人ばかり勧められるのではないか」。そう感じている方は、目を通してみてください。
建設の転職エージェントは4種類。持っている求人の出どころが違う
建設の転職で使われるサービスは、大きく4つに分かれます。どこから求人を預かっているかと、入社したあと誰に雇われるかが、それぞれ違います。
| 種類 | 求人の出どころ | 入社後の雇い主 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 総合型 | 全業界の会社 | 入社先の会社 | 建設以外も含めて選択肢を広げたい人 |
| 建設特化型 | 建設会社・設備会社など | 入社先の会社 | 工種や構造の経験を細かく伝えたい人 |
| スカウト型 | 登録した経歴を見た会社や紹介会社 | 入社先の会社 | 急がず、声がかかった会社から選びたい人 |
| 技術者派遣 | 派遣会社が契約している建設会社の現場 | 派遣会社 | 未経験から始めたい人、まず現場の経験を積みたい人 |
総合型と建設特化型は、取引先の数と深さが違う
総合型は全業界の求人を扱う大手の紹介会社で、建設の求人も多く持っていますが、担当者が建設業の出身とは限りません。RC造と木造の違いや、新築と改修で現場の回し方がどう変わるかを話しても、通じにくいことがあります。
建設特化型は、施工管理や設計、設備に絞った紹介会社です。工種や構造の違いが分かる担当者がいることが多く、経験の中身を推薦文に書き込んでもらいやすい。その代わり、取引先は少なめです。
どちらがよいかは、求人の数では決まりません。差が出るのは、希望する工種とエリアの会社に、どれだけ人を紹介して入社までつなげてきたかです。この話は3つ目の章で扱います。
スカウト型は、経歴を登録して声がかかるのを待つ
職務経歴をデータベースに登録しておくと、企業や紹介会社からスカウトが届く仕組みで、自分で求人を探す時間が取れない人に向いています。
ただ、紹介会社が候補者を探す場所は、どこもよく似ています。複数の紹介会社から似た提案を受けて、各社の違いが見えにくいと感じている採用担当もいます。
登録すると似た内容の連絡が複数の紹介会社から同じ時期に届くので、届いた数で決めずに、どの会社に紹介できるのかを聞いてから返事をすると、やり取りする相手を絞れます。
技術者派遣は、派遣会社の社員として現場に出る
人材紹介で転職すると、入社先の会社に直接雇われます。技術者派遣は違います。雇い主は派遣会社で、そこから建設会社の現場に派遣されます。登録した先がどちらなのかは、最初の面談で確かめてください。
施工管理の仕事は派遣の対象になります。ただし、専任の主任技術者や監理技術者として派遣されることはありません(厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」)。専任の技術者として現場を任される立場を目指すなら、どこかで直接雇用に移ることになります。
派遣会社の条件は、会社ごとにかなり違います。首都圏で公共工事を中心に土木と電気の施工管理を派遣している会社は、未経験からの採用も行っていて、採用担当の話では、入社しているのは20代が中心です。入社から6か月は契約社員で月給25万円(見込み残業20時間分込み)、7か月目に正社員になると月給28万円(見込み残業24時間分込み)です。
全国5か所に研修センターを持つ派遣会社では、次の現場が決まるまでの待機期間も給与を全額払っています。ただし、希望する勤務地を絞るほど待機は長くなります。この会社にいる経験者の6〜7割は、別の派遣会社から移ってきた人で、経験を積んでから派遣会社を移る人も多い会社でした。
職人の求人は、許可を受けた団体か直接応募で探す
とびや型枠大工のように現場で作業をする仕事は、職業安定法第32条の11で有料の職業紹介が原則として禁じられていて、施工管理と違い、一般の紹介会社は扱えません。例外は国の許可を受けた建設事業主団体(2026年9月1日現在で4団体)の紹介で、求人者か求職者のどちらかが団体の構成員で、期間の定めのない雇用に限られるため、職人はこの団体か、求人サイトや会社への直接応募で探すことになります。
4団体のひとつは、この記事の監修者が代表理事を務める一般社団法人建設技能者転職支援協会です。KENSETSU-Xの掲載求人でも、職人の職種には担当者がつく求人が1件もないことを、4つ目の章の表で示します。とびや型枠大工、電気工事士の人が会社を選ぶときの見方は、別の記事「職人の転職は会社選びから」に書きました。
任せると楽になるのは日程調整と条件の確認。求人選びまで任せない
面接の日程合わせと、求人票にない条件の確認は担当者に任せ、どの会社を比べるかは自分で決めてください。
現場を抜けにくい人ほど、日程調整を任せる意味がある
現場が終わるのは夕方で、平日の日中は電話にも出にくい。施工管理の転職で手間がかかるのは、面接の日程合わせです。
採用する会社もそれを分かっていて、日程の調整を紹介会社に任せられるのを歓迎するところがあります。
役員面接の前に、会社の説明と相性を確かめる面談を置く会社もあります。合否を決める場ではないと説明されても、相性を見る場なので、転職の理由と希望は話せるようにしておいてください。
出張の有無や頻度のように求人票に書きにくい条件は、担当者に面接前に確かめてもらうと、自分から聞くより角が立ちません。
求人を選ぶ判断は、自分の手元に残す
担当者が勧められるのは、その紹介会社が取引している会社の求人だけです。勧められた求人の中で比べている限り、取引のない会社は候補に上がりません。
勧められた求人が希望とずれていたら、どこがずれているかを1行で返してください。勤務地なのか、工種なのか、年収なのか。返さないままにすると、同じ方向の求人が続きます。
比べる会社は、自分でも探しておくほうが安全です。エージェントを通らない求人がどれくらいあるのかは、4つ目の章で数字にしました。
電話かLINEで30分。費用はかかりません。 会員登録をしておくと、条件に合う求人が届きます。
選ぶ基準は求人数より、その会社に紹介した実績
任せると決めたら、次は誰に任せるかです。求人一覧に社名が載っていても、その紹介会社がその会社に人を入社させた実績があるとは限りません。採用担当から直接聞いた話を4つ並べます。
契約しても、紹介が1件も来ない紹介会社がある
埼玉を中心に官公庁や大型施設の電気工事を手がける設備会社は、建設に特化した紹介会社と契約しました。契約のとき言われたのは「料率が高い分、質の高い人材を確実に紹介できる」。3か月たって、紹介は1件もありませんでした。この会社はいま、料率にはこだわらず、確実に紹介が来るかどうかだけを見ています。
同じ経験をした会社はほかにもあります。東京と埼玉で土木工事を手がける会社は、紹介会社と契約したあと、紹介がないまま報酬率の引き上げを求められました。それ以来、紹介会社との契約には慎重になっています。
求人一覧に社名があっても、その紹介会社がその会社に人を入社させた実績があるとは限りません。 実績がない担当者は、会社が経歴のどこを見て、面接で何を聞くかを知りません。どの程度の関係なのかは一覧からは読めないので、担当者に聞くしかありません。聞き方は6つ目の章にまとめました。
面接が決まるまで契約しない会社もある
全国に支店を持つ中堅ゼネコンは、紹介すると言ったあと連絡が途絶える紹介会社に当たったことがあります。いまは、紹介された候補者の面接が決まってから、その紹介会社と契約を結んでいます。
ほかにも、最初はメールで推薦だけを受け、選考が進んでから契約する会社があります。
この場合、あなたの推薦が、その紹介会社からその会社への最初の1人になります。それ自体は悪いことではありません。ただ、その会社がどんな経験を見ていて、面接で何を聞くのかを担当者が知っているかどうかで、面接前の準備が変わります。
推薦のときに電話を一本入れる担当者がいる
先ほどの埼玉の設備会社は、推薦をメールで送ったうえで、採用担当の携帯に一声かけてほしいと紹介会社に求めています。メールだけだと、ほかの紹介会社から届く推薦に埋もれるからです。
細かい話に見えますが、同じ経歴でも、推薦の届け方で書類の読まれ方が変わります。推薦するときに採用担当へ直接連絡を入れるかどうかは、担当者に聞いてかまいません。
非公開求人は、限られた紹介会社にしか渡していない求人
神奈川で所長クラスを募集している建設会社は、以前、多くの紹介会社に求人を出して、どこに何が出ているのか管理しきれなくなりました。いまは信頼できる紹介会社にだけ求人を渡して、求人サイトには載せていません。
ただ、この会社にも悩みがあります。転勤がなく残業も抑えた働き方を打ち出したいのに、公開していないぶん、候補者に届けにくい。
非公開求人には、こうした事情で限られた紹介会社にしか渡していない求人があり、紹介会社ごとに持っている求人が違う理由も、2〜3社を使う理由も、ここにあります。
担当者がつく求人は掲載求人39,193件のうち1,226件
2つ目の章で、比べる会社は自分でも探しておくほうが安全だと書きました。どれくらいの差になるのかを、KENSETSU-Xの掲載求人で数えてみます。
39,193件のうち、公開求人が37,966件
KENSETSU-Xには、担当者が間に入って応募から入社までを手伝う求人と、担当者を通さずに応募する公開求人の両方が載っています。2026年9月18日時点の掲載求人39,193件の内訳は次のとおりです。
| 求人の種類 | 件数 |
|---|---|
| 公開求人 | 37,966件 |
| 担当者サポートつき求人 | 1,226件 |
| 会社紹介ページつき求人 | 1件 |
担当者サポートつき求人は、KENSETSU-Xを運営するTEAM-Xの担当者がつく求人で、ほかの紹介会社が持っている求人はこの数に入っていません。KENSETSU-Xでも、担当者がつく求人は公開求人の約30分の1です。どの紹介会社でも手持ちには限りがあるので、公開求人を並行して見てください。
工種によって、担当者がつく求人の数はまるで違う
同じ集計を職種別に分けました(2026年9月18日時点)。
| 職種 | 公開求人 | 担当者サポートつき求人 |
|---|---|---|
| 建築施工管理 | 5,220件 | 503件 |
| 土木施工管理 | 3,876件 | 125件 |
| 電気工事施工管理 | 1,027件 | 94件 |
| 管工事施工管理 | 991件 | 39件 |
| 設備施工管理 | 813件 | 91件 |
| 設計 | 2,691件 | 111件 |
| 積算・見積 | 112件 | 45件 |
| 鳶(とび) | 979件 | 0件 |
| 電気工事士 | 3,230件 | 0件 |
建築施工管理には、担当者がつく求人が503件あります。土木施工管理では、公開求人3,876件に対して担当者がつく求人は125件です。土木の人が担当者のつく求人だけを見ていると、比べられる会社はかなり限られます。 管工事施工管理も、公開求人991件に対して39件でした。
積算・見積は公開求人112件に対して担当者つきが45件で、担当者がつく求人の割合は約3割(45÷157)と、施工管理の各職種より高くなっています。積算の経験者は、担当者に求人を聞いてみる価値があります。
とびや電気工事士といった職人の職種には、担当者サポートつき求人が1件もありません。担当者サポートつき求人はTEAM-Xの有料職業紹介の求人で、職人の紹介は許可団体しか扱えないため、ここには入らないからです。
これはKENSETSU-Xの中の数で、ほかの紹介会社の手持ちとは別です。KENSETSU-Xの中でも、工種によって担当者がつく求人の数が違います。
採用の9割を紹介に頼る会社と、ほぼ公開求人だけに出す会社に分かれる
施工管理が含まれる「建築・土木・測量技術者」の有効求人倍率は5.65倍(2026年3月、常用でパートを含む。厚生労働省「一般職業紹介状況」)で、求職者より求人がずっと多いため、高い手数料を払ってでも紹介会社を通して採用する会社があります。首都圏と福岡で建築・設備・電気の施工管理を募集している会社は、採用の約9割が人材紹介です。採用の人数を大きく増やそうとしている電気設備の会社も、中途採用の大半を人材紹介に頼っていました。
採用の手段は人材紹介だけではありません。2025年に施工管理職を10名以上中途採用した、従業員1,000名未満の建設会社の採用担当102名に聞いた民間調査では、いま使っている採用手法として人材紹介を挙げたのは39.2%で、求人媒体の43.1%を下回りました。自社の採用サイトは35.3%です(株式会社ネオキャリア調査、2026年3月実施)。
地方では、公開求人が中心の会社もあります。北近畿で建築と土木を手がける地場の建設会社は、求人をほぼ公開求人だけに出していて、遠方の紹介会社から来た人は地元に根づかないと考えていました。
紹介会社を通した採用が中心の会社と、公開求人が中心の会社の両方があります。 片方だけを見ていると、もう片方の会社は最初から比べる対象に入りません。
手数料は会社が払う。だから会社は早期離職を気にしている
紹介会社を使う会社が慎重になる理由は、お金の流れを見ると分かります。転職エージェントは求職者からは料金を取らず、入社が決まった会社から手数料を受け取ります。
手数料は年収の30〜60%程度。払うのは入社先の会社
採用担当から直接聞いた話をもとにした目安では、施工管理を専門にする紹介会社の手数料は年収の35〜60%、全業界向けの紹介会社では30〜35%です。例えば、年収500万円の人が料率35%の紹介会社を通して入社すると、会社が払う手数料は500万円×35%で175万円です。
求職者が払うものはありません。そのかわり、担当者の売上はあなたの入社が決まったときに初めて立つので、返事を急がされることがあります。急かされたときの対処は7つ目の章に書きました。
年収の交渉にも、この計算が関わります。手数料は年収に料率を掛けて決まります。例えば料率35%なら、提示年収が50万円上がると、会社の支払いは17.5万円増えます。会社にとっては、年収と手数料の両方が負担です。交渉を担当者に任せるなら、その金額が妥当だと示せる材料を渡しておいてください。持っている資格と、担当した工事の規模や構造、現場で任されていた立場がそろっていると、担当者も会社に説明しやすくなります。
早く辞めると、紹介会社は手数料の一部を会社に返す
手数料を払った会社がいちばん気にしているのは、入社した人がすぐ辞めることです。
紹介会社と会社の契約には、入社した人が早く辞めたときに、手数料の一部を会社に返す取り決めが入っていることがよくあります。
関東から関西で商業施設を建てている会社の採用担当は、手数料が発生していることを知らないまま早く辞める人がいて困る、と話していました。会社から本人に、あなたを雇うのにこれだけ払ったとは言いにくい、とも。
入社後しばらく担当者から連絡が来るのは、この取り決めがあるからです。面接で会社は、この人がすぐに辞めないかを見ています。前の会社を辞める理由は、自分の言葉で説明できるようにしておいてください。 施工管理の面接でよく聞かれる質問と答え方の例は、面接で見られることと回答例にまとめています。
最初の面談では、希望の工種とエリアで入社が決まった会社を聞く
最初の面談でまず聞くのは、希望する工種とエリアで、その紹介会社が最近入社を決めた会社です。登録から入社までの流れと、それを含めて担当者に聞く5つの質問をまとめます。
登録から入社までの流れ
| 段階 | やること | 確かめること |
|---|---|---|
| 1 登録 | 経歴と希望条件を入力する | 登録先が人材紹介か技術者派遣か |
| 2 面談 | 担当者と電話かオンラインで話す | 下の5つの質問 |
| 3 求人の紹介 | 担当者が勧める求人から応募先を選ぶ | 公開求人と並べて比べる |
| 4 推薦と書類選考 | 担当者が会社に経歴を送る | 推薦のときに採用担当へ連絡を入れるか |
| 5 面接 | 日程は担当者が調整する | 求人票にない条件を確かめてもらう |
| 6 内定と入社 | 条件を確かめて入社する | 入社後も担当者から連絡がある |
いまの会社を辞めるのは、内定が出て条件の確認が済んでからで間に合います。在職中のまま進めてください。
面談で担当者に聞く質問と、聞く理由
5つを一度に全部聞く必要はありません。1と3だけでも、担当者の動き方はかなり分かります。
| 質問 | 聞く理由 |
|---|---|
| 1 希望する工種とエリアで、この半年に紹介して入社が決まった会社はありますか | 求人一覧に社名があっても、その会社に人を入社させた実績があるとは限らない |
| 2 勧めてもらった求人は、ほかの紹介会社にも出ていますか | 限られた紹介会社にしか渡していない求人かどうかが分かる |
| 3 推薦するとき、採用担当に直接連絡を入れますか | メールだけだと、ほかの推薦に埋もれることがある |
| 4 求人票にない条件を、会社に確かめてもらえますか | 直近の残業の実績や選考の回数を面接前に知れる |
| 5 自分で応募した会社と重ならないよう、どう管理しますか | 同じ会社に2社から推薦が届くと、選考が止まる |
1がいちばん大事な質問です。具体的な社名や件数が出てこない担当者は、その工種とエリアの会社との関係が浅い可能性があります。2で「分からない」と返ってきたときも同じです。
ただ、その場で答えられないことだけで判断しないでください。確かめて折り返してくれるかどうかのほうが、担当者の動き方をよく表します。
3は、聞いても失礼にはあたりません。普段から電話を入れている担当者なら、採用担当にどんな話をするのかまで答えられます。
4は、求人票の書き方と実際の働き方がずれることがあるので聞いておく質問で、担当者が会社に聞いた結果を数字で返してくれるかを見てください。
5は複数の紹介会社を使うなら必ず聞いておく質問で、応募の管理を担当者任せにすると、次の章で書く重複が起きます。
使う紹介会社は2〜3社まで。応募先は自分で一覧にする
紹介会社ごとに持っている求人が違う以上、1社だけでは比べられる会社が限られます。ただし、使う数を増やすと別の問題が出てきます。
同じ会社に2社から推薦されると、選考が止まることがある
同じ会社の求人を、複数の紹介会社が持っていることは珍しくありません。同じ会社に2つの紹介会社から推薦が届くと、会社はどちらの紹介として扱うかを決めなければならず、そこで選考が止まります。
応募した会社の名前、経由した紹介会社、応募した日付を、自分で一覧にしておくと防げます。公開求人に自分で応募した会社も、同じ一覧に入れてください。新しく求人を勧められたら、一覧と照らしてから応募を決めます。
返事を急かされたら、決める日を自分から伝える
担当者の売上は入社が決まったときに立つので、返事を急ぐ担当者がいるのは自然なことです。
急かされたら、いつまでに決めるかを自分から先に伝え、在職中なら電話に出られる時間帯も一緒に伝えておくと、連絡の回数が落ち着きます。それでも担当者と合わないと感じたら、担当の変更を頼むか、使う紹介会社を替えてかまいません。
エージェントと並行して、公開求人を自分で見る
4つ目の章で見たとおり、公開求人には紹介会社をあまり使っていない会社の求人も入っているので、エージェントに任せている間も公開求人を自分で見ておくと、比べられる会社の数が減りません。
KENSETSU-Xでは、建設業の求人だけを工種とエリアで絞って見られます。公開求人で気になる会社が見つかったら、その会社に紹介した実績があるかを担当者に聞いてみる、という使い方もできます。
まとめ
建設の転職エージェントを選ぶときに見るのは、求人の数より、希望する工種とエリアの会社に紹介して入社までつなげた実績です。求人一覧に社名が載っていても、その会社に人を入社させた実績があるとは限りません。最初の面談で、この半年に入社が決まった会社を聞いてください。
手数料を払うのは入社先の会社です。会社は早く辞められることを気にしているので、前の会社を辞める理由を自分の言葉で話せるようにしておくと、面接で聞かれたときに困りません。
エージェントだけで探すと、公開求人が中心の会社が候補から抜けます。特に土木や管工事の人は、公開求人を並行して見てください。職人の求人は、原則として紹介会社では扱えないので、公開求人と許可団体の紹介で探すことになります。
最初の面談では、担当者から転職したい理由を必ず聞かれます。いまの不満が会社を替えれば消えるものかをまだ言葉にできていないなら、登録の前に施工管理がきついのは会社か職種か。辞める前の見極め方で整理しておくと、勧められた求人のずれも返しやすくなります。
KENSETSU-Xには、担当者がつく求人と公開求人の両方が載っています。会員登録をしておけば、希望の工種とエリアで紹介できる会社があるかを、面談で担当者にそのまま聞けます。
よくある質問
Q. 在職中で、平日の日中は現場を抜けられません。面接はどうなりますか
A. 日程の調整は担当者に任せられます。採用する側も、施工管理は日程が合わせにくいと分かっています。施工管理職を10名以上中途採用した従業員1,000名未満の建設会社の採用担当102名に聞いた民間調査では、採用成果を高めるために整えている、または整えた取り組みとして、27.5%が平日19時以降や土日の面接枠の追加を挙げていました(株式会社ネオキャリア調査、2026年3月実施)。最初の面談で、平日の夜や土曜に面接ができる会社かどうかを確かめてもらってください。
Q. 登録したのに、求人をほとんど紹介されません。なぜですか
A. よくある原因は、希望する工種とエリアで、その紹介会社が取引している会社が少ないことです。地方の会社には、遠方の紹介会社からの紹介を警戒する会社もあります。担当者に、条件のどこを広げれば紹介できる会社が増えるかを聞いてください。並行して公開求人を自分で探すと、紹介会社と取引のない会社も候補に入ります。
Q. 入社してすぐ辞めたくなったら、紹介してくれた担当者に相談していいですか
A. 相談してかまいません。紹介会社は入社後しばらくの定着を気にしていて、早く辞めると会社に手数料の一部を返す取り決めを結んでいることがあります。辞めると決める前に、配属や現場の事情で解決できることがないか、担当者を通して会社に伝えてもらう方法もあります。それでも合わないときは、次の転職で同じことが起きないよう、合わなかった理由を具体的に担当者と整理しておきます。
出典
- 厚生労働省 一般職業紹介状況(2026年3月分)
- 職業安定法第32条の11
- 厚生労働省 建設業務有料職業紹介事業
- 厚生労働省 労働者派遣事業関係業務取扱要領(令和8年10月1日適用版)
- 株式会社ネオキャリア「【施工管理職採用のカギは?】採用担当者102名に聞いた実態と成功のポイント」
- KENSETSU-X 掲載求人の集計(2026年9月18日時点。掲載求人39,193件の内訳と、職種別の公開求人・担当者サポートつき求人の件数)
- 紹介手数料の目安(TEAM-Xが建設会社の採用担当から直接聞いた話をもとにした社内集計)
この記事の監修者

高谷 匠
TAKATANI TAKUMI
高谷 匠
TAKATANI TAKUMI
TEAM-X株式会社 取締役COO/一般社団法人建設技能者転職支援協会 代表理事
新卒でリクルートに入社し、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を経て、2025年12月にTEAM-Xへ参画。会社全体の事業戦略と組織構築を統括している。
- 厚生労働大臣許可「建設業務有料職業紹介事業」(許可番号 27-ケ-30001。制度創設から約20年で全国4団体、近畿の団体としては初)を運営する一般社団法人建設技能者転職支援協会の代表理事
- TEAM-X株式会社 取締役COOとして、施工管理・職人の人材紹介から採用コンサルティング・RPOまでの事業戦略と組織構築を統括
- 新卒でリクルートに入社後、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を歴任
この記事の内容と数字は監修者が確認しています。書き方と更新のルールは編集方針に書いています。