この記事でわかること
- 採用担当に直接聞いた8社のうち4社は、完全未経験として受け入れる年齢の目安を20代から30代前半に置いている
- 未経験の枠で先に通るのは、現場に少しでも触れたことのある人。前職の評価は会社によって逆になる
- 最初の年収は320万〜480万円あたりから始まる。2級の第二次検定は、新しい受検資格なら第一次検定の合格から実務3年以上で受けられる
求人サイトで「未経験歓迎」の施工管理を見つけた。年収も悪くない。ただ、いまの仕事を辞めてまで飛び込んでいいのか、そもそも自分の年齢で採ってもらえるのかが分からない。この記事は、異業種から施工管理への転職を考えている人に向けて書いています。
同じところで止まっている人は、少なくありません。採用担当から直接聞いた話では、人手が足りないと言われる業界にもかかわらず、人材会社を通じて、未経験の推薦が毎月100人を超えて届く会社がありました。
未経験で施工管理に転職することは、いまもできます。ただし条件つきです。採用する側は、年齢と、現場に少しでも触れたことがあるかを見ています。
この記事では、8社の採用担当が話していた年齢の目安を表にまとめ、未経験から入れる4つの入口、最初の年収、資格を取る順番を整理しました。
「自分の年齢と前職で、まだ間に合うのか」。そう迷っている方は、目を通してみてください。
未経験の採用は20代から30代前半が中心。30代は勤務地か条件つきで受け入れる
未経験で施工管理に入れるかどうかは、年齢でかなりの部分が決まります。ただ、その年齢は法律で決まっているわけではありません。採用担当が、自分たちで育てられる範囲を見て、それぞれ目安を持っています。
採用担当に聞いた8社の年齢の目安
会社名は出さず、エリアと事業内容で書いています。求人票に書かれた条件ではなく、採用担当が話していた目安です。
| 会社(エリアと事業内容) | 採用担当が話していた未経験の年齢の目安 |
|---|---|
| RC造の中高層マンションを手がける建設会社(東京・大阪・名古屋・福岡) | 完全未経験は30歳未満 |
| 建築と土木を手がける建設会社(千葉) | 未経験は土木だけで、20代前半が目安 |
| ユニットバス施工の会社(東京) | 30代まで。条件しだいで30代後半も |
| 木造住宅リフォームの会社(大阪・福岡) | 20代前半まで |
| 店舗・クリニックの内装会社 | 35歳程度まで |
| 防水工事の会社(埼玉・川口) | 25〜32歳。32〜35歳は経験を求める |
| 未経験採用が主軸の施工管理会社(東京23区) | 未経験枠の年齢は明示なし。職人からの転身は20代が望ましい |
| 技術者派遣の会社(全国) | 上限なし |
8社のうち4社は、完全未経験の目安を20代から30代前半に置いていました。30代の未経験を受け入れている3社も、東京の勤務に限る、現場を思い描ける材料がある人を望む、32歳からは経験を求める、と条件をつけています。
年齢の上限を設けていないと明言したのは、技術者派遣の会社だけです。東京23区の施工管理会社は、未経験枠では経験を問わず、年齢の話が出たのは職人から移る人(20代が望ましい)についてだけでした。
目安をもう1つ、手前に持っている会社もあります。千葉の建設会社は20代後半から、大阪・福岡のリフォーム会社は20代半ばから、川口の防水工事の会社は32歳から、完全な未経験ではなく何らかの経験を求めるようになります。この話は「未経験より微経験」の章で続けます。
「◯歳以下」と書いてある未経験求人には、法律上の根拠がある
求人で年齢を制限することは、原則として法律で禁止されています(労働施策総合推進法第9条)。それでも未経験の求人には「35歳以下」と書かれたものがあります。例外があるためです。
長く勤めてキャリアを育てる目的で、若い人を期間の定めのない雇用で募集する場合は、上限の年齢を書くことが認められています。条件は2つで、職業経験を問わないことと、新卒と同じ処遇にすることです(厚生労働省「年齢にかかわりない募集・採用のために」)。経験者の募集では、この例外は使えません。
上限の年齢が書かれた未経験の求人は、例外の制度を使ってその年齢までを対象にしたもので、超えている場合は応募の対象外と考えてください。
年齢が書かれていない求人では、年齢を理由に応募の機会を分けることは原則として認められていません。ただ、表の8社のように、採用担当は育てられる範囲の目安を持っていて、選考では年齢と経験をあわせて見ています。応募する前に、未経験で入った人が何歳くらいだったかを聞いておくと判断しやすくなります。
30代で探すなら、勤務地と業態で入口を探す
30代の未経験を受け入れている会社には、勤務地を絞るところと、応募する人に条件をつけるところがあります。東京のユニットバス施工の会社は、未経験を東京の勤務だけで受け入れています。年齢は30代までで、体力と頭の回転があれば30代後半も検討します。店舗やクリニックの内装会社は35歳程度までで、インテリアへの関心など、現場を思い描ける材料がある人が望ましいとしています。
川口の防水工事の会社は、32歳を境に、完全未経験でよいという条件から一定の経験を求める条件に切り替えています。どこまでなら未経験から育てられるか。その上限が、この会社の目安です。
30代後半で、完全未経験の正社員の枠に当たらないこともあります。そのときは、技術者派遣の会社から入って現場の経験を積み、経験として話せる状態で応募し直す方法があります。これは後の章で扱います。
求人倍率は5.65倍。それでも未経験の枠には応募が集まる
施工管理を含む技術者の求人倍率は全職業平均の約5倍ですが、未経験の枠に限ると応募が集まり、比べられます。人手が足りないと言われる業界で採用担当が年齢の目安を持つのは、業界全体の数字と、未経験の枠の中で起きていることが別の話だからです。
統計の人手不足は、経験者と未経験を分けていない
人手不足は、公的な統計にはっきり出ています。数字の上では、働き手が選べる側にいます。
建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.65倍で(2026年3月、常用でパートを含む)、全職業平均の1.10倍と比べると約5.1倍にあたります(厚生労働省「一般職業紹介状況」)。有効求人倍率は求職者1人あたりの求人数のことで、施工管理はこの「建築・土木・測量技術者」に含まれます。
若い人も少ない。建設業で働く人のうち29歳以下は11.7%で、全産業の16.9%を下回ります。55歳以上は36.7%で、全産業の32.4%より多くなっています(国土交通白書2025、2024年時点)。
KENSETSU-Xの掲載求人を見ても、施工管理系の求人は12,779件ありました(2026年9月18日時点、掲載求人39,193件のうち)。
ただし、どの数字も経験の有無を分けていません。求人には経験者向けのものと未経験向けのものが混ざっていて、未経験に開いている席がどれだけあるかは、これらの数字からは分かりません。
未経験の枠には、業界を知らない応募が集まる
枠の中に目を移すと、逆のことが起きています。
RC造のマンションを手がける建設会社には、人材会社から届く未経験の推薦が月100人を超えます。書類は毎日5人分ほどあり、採用担当は土日も目を通しています。それに対して、今期の未経験の採用目標は東京で1人、大阪で2人ほどです。
応募が集まって選びきれずにいたのは、千葉の建設会社も同じです。建設業が何をする仕事なのかを知らないまま応募してくる人が多く、採用担当は「昨日までケーキを作っていた人は厳しい」と話していました。
未経験歓迎の求人でも、応募した人どうしで比べられます。誰でも通るわけではありません。
未経験向けの教育制度を対策に挙げた採用担当は約4分の1
未経験を受け入れる会社と、育てる体制まで持っている会社も、同じではありません。
施工管理職を2025年に10名以上中途採用した、従業員1,000名未満の建設会社の採用担当102名に聞いた調査があります(ネオキャリア、2026年3月)。採用が難しいことへの対策として「未経験者向け教育制度の整備」を挙げたのは23.8%で、「待遇・条件面の改善」の42.6%や「働き方の見直し」の41.6%を下回りました。
採用を多く回している会社に偏った調査で、建設業全体の割合ではありませんが、未経験を受け入れることと、教える仕組みを整えることが別の話だという点は読み取れます。応募先で何を確かめるかは、最後の章でまとめます。
電話かLINEで30分。費用はかかりません。 会員登録をしておくと、条件に合う求人が届きます。
採用担当が先に見るのは「未経験より微経験」
応募した人どうしが比べられる中で、先に通るのは、完全な未経験の人より、現場に少しでも触れたことのある人です。
微経験に数えられるのは、現場に少しでも触れた経験
「未経験より微経験」は、RC造のマンションを手がける建設会社の採用担当の言葉です。未経験の募集でも、土木でも何でも、現場で何らかの仕事をしたことがある人を優先しています。
同じ考え方は、ほかの会社でも聞きました。20代後半からは、解体の仕事をしたことがある、施工管理という仕事を知っている、といった接点がないと厳しい。千葉の建設会社ではそう聞きました。店舗やクリニックの内装会社も、まったくの未経験より、インテリアに興味がある、実家が工務店だ、といった現場の仕事を思い描ける材料を持つ人が望ましいと話していました。
話を聞いた会社の例から、微経験として話せるものを拾うと次のようになります。
- 職人や作業員として現場に出たことがある
- 解体や内装、設備など、工事のアルバイトをしたことがある
- 実家が工務店や建設業で、現場を手伝ったことがある
- 施工管理が何をする仕事なのかを、自分の言葉で説明できる
長さは問われません。今回の会社が見ていたのは、入ってから現場の仕事を思い描けるかどうかでした。
店長や物流の前職は、歓迎する会社と敬遠する会社に分かれる
前職の見られ方は、会社で分かれます。
東京のユニットバス施工の会社は、ドラッグストアや飲食店の店長を歓迎しています。忙しい店を回しながら複数のことを同時にこなし、体力もあるからです。物流倉庫からの採用実績もあります。物流出身で完全未経験だった38歳の人は、前職の給与を考慮されて、年収500万円台前半で入社しました。
大阪・福岡の木造住宅リフォームの会社では、話が逆になります。飲食や物流から未経験で入った人は現場に慣れるのが難しく、結局は建設の下地がある人を求めていました。
同じ前職でも、評価が正反対になります。前職を一般論で売り込む前に、応募先がどんな人を採ってきたのかを確かめてください。求人票の「歓迎する経験」の欄を読むか、面接で「どんな前職の人が活躍していますか」と聞けば分かります。
微経験がない人が、応募の前にできること
現場との接点は、いまなくても、これからつくれます。
ひとつは、職人として現場に入ってから施工管理に移る道です。これは次の章で扱います。もうひとつは、2級施工管理技士の第一次検定を受けることで、17歳以上なら実務経験がなくても受けられます。
そして、仕事の中身を話せるようにしておくことです。施工管理は、工事の段取りを組み、品質と安全を確かめ、費用を管理しながら、職人と発注者の間に立って現場を進める仕事です。前の章で触れた千葉の建設会社も、建設業が何をする仕事なのかが分からないまま応募してくる人を見送っていました。自分の言葉で説明できるだけで、比べられたときの位置が変わります。
未経験の入口は、正社員・技術者派遣・職人・住宅系の4つ
年齢と経験の見られ方が分かったら、次は入り方を選びます。入口は4つです。どこから入るかで、最初の数年の過ごし方が変わります。
| 入口 | 向いている人 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 建設会社の未経験枠に正社員で入る | 20代から30代前半で、1社で育ててもらいたい人 | 応募が集まるので比べられる。教える体制を確かめる |
| 技術者派遣の会社に入って現場に出る | 年齢の目安を超えた人、まず現場経験を積みたい人 | 勤務地を絞ると配属までの待機が長くなる |
| 職人として入り、施工管理に移る | 体を動かす仕事に抵抗がない20代の人 | 施工管理に移る時期と基準を入社前に聞く |
| 住宅・内装・設備の会社から入る | 生活に近い建物やインテリアに関心がある人 | 夜間の作業や出張の扱いが会社で違う |
建設会社の未経験枠に正社員で入る
20代から30代前半なら、まずここを探すことになります。
東京23区で未経験の採用を主軸にしている施工管理会社は、AIや図解を使った教育資料を用意し、現場に関わる人どうしの関係を図にして、誰に何を確かめれば仕事が進むのかを見える形にしています。夜間の作業が出たときに対応するのは、未経験の社員ではなく役員や経験のある社員です。残業は月平均10時間以下。選考は2回です。
応募が集まる入口なので、前の章で見た微経験と、なぜ施工管理なのかが比べられます。
技術者派遣の会社に入って現場に出る
技術者派遣の会社に入り、派遣先の建設会社の現場で施工管理として働く道もあります。
全国に研修センターを持つ技術者派遣の会社では、在籍している技術者の7〜8割が未経験からのスタートでした。採用の数も、未経験が月40〜50名台、経験者が月7〜10名で、未経験のほうがずっと多い。研修センターは東京・名古屋・大阪・広島・博多の5か所にあり、年齢の上限は設けていません。
給与は、未経験なら基本給で月25万円からです。賞与の扱いは入社時期によって違うので、応募時に確認してください。最初は有期雇用で入り、給与面や派遣先での評価がそろえば、半年から1年前後で正社員に切り替わる仕組みです。
交換条件もあります。派遣先が決まるまでの待機期間も給与は全額出ますが、希望する勤務地を絞ると待機が長くなります。また、この会社の経験者の6〜7割は別の派遣会社から移ってきた人で、派遣の会社どうしを移っていく人が多くいます。
30代後半で正社員の未経験枠に当たらなかった人にとっては、現場の経験を積む入口になります。ここで積んだ経験は、次に応募するときに経験として話せます。
職人として入り、施工管理に移る
職人から入る道もあります。
川口の防水工事の会社は、未経験の人をいきなり施工管理に据えません。職人兼施工管理として現場に慣れてもらい、少しずつ施工管理の仕事を増やしていきます。25〜32歳なら完全未経験で受け入れ、給与は月25万円に32時間分のみなし残業代を加えた形です。面接は対面で1回だけです。
職人から施工管理に移る人は、東京23区の施工管理会社も歓迎しています。ただし、20代のうちが望ましいという条件がつきます。
入社する前に、施工管理の仕事にいつ、どういう基準で移るのかを聞いておいてください。職人のまま年数が過ぎると、施工管理に移れる年齢の目安を越えてしまうこともあります。
住宅・内装・設備の会社から入る
住宅や店舗の内装、住宅設備の会社にも、未経験の入口があります。生活に近い建物を扱うので、仕事の中身を思い描きやすい入口です。
ただし、夜間と出張の扱いは会社で大きく違います。店舗やクリニックの内装会社には夜勤が続く現場があり、体調を崩さない強さを選考で見ています。愛知など遠方の現場に2〜3か月滞在することも、年に1〜2回あります。
反対に、東京のユニットバス施工の会社は、工程の最初に入る仕事です。後の工程を受け持つ内装などの会社ほど納期に追われず、夜勤も起きにくいと話していました。
大阪・福岡の木造住宅リフォームの会社は、20代前半なら未経験でも受け入れています。20代半ばからは木造住宅の経験が必要になるので、住宅の仕事に関心があるなら早めに動いたほうが選択肢は残ります。
最初の年収は320万〜480万円から。経験者の求人より低く始まる
次はお金です。平均年収として出てくる数字は経験者を含んだもので、未経験で最初に提示される金額とは違います。
掲載求人の月給の下限は、建築施工管理で中央値25.3万円
KENSETSU-Xの掲載求人のうち、月給の下限と上限が書かれていた施工管理の求人を、工種別に数えました(2026年9月18日時点)。
| 工種 | 件数 | 月給の下限の中央値 | 月給の上限の中央値 | よくある下限の幅(中央の50%) |
|---|---|---|---|---|
| 建築施工管理 | 5,137件 | 25.3万円 | 40.0万円 | 22.3万〜30.0万円 |
| 土木施工管理 | 3,857件 | 27.0万円 | 42.0万円 | 23.2万〜33.0万円 |
| 電気工事施工管理 | 1,007件 | 25.0万円 | 37.0万円 | 22.0万〜28.3万円 |
| 管工事施工管理 | 976件 | 23.5万円 | 35.4万円 | 20.6万〜28.0万円 |
| 設備施工管理 | 801件 | 25.0万円 | 40.0万円 | 22.2万〜30.0万円 |
「よくある下限の幅」は、下限を低い順に並べたとき、真ん中の半分の求人が入る幅です。月給は賞与と手当を含まない金額です。
KENSETSU-Xで担当者が間に入る求人には、年収のレンジも書かれています。その中央値は、建築施工管理で500万〜840万円(494件)、土木施工管理で500万〜740万円(124件)、電気工事施工管理で450万〜840万円(89件)でした。経験者の採用も含めた求人の数字です。
どちらも求人票に書かれた金額で、入社した人が受け取った実績ではありません。
未経験に提示される年収は320万〜480万円から
では、未経験だといくらから始まるのか。直接聞いた金額を並べます。
| 会社 | 未経験の年収 |
|---|---|
| 未経験採用が主軸の施工管理会社(東京23区) | 320万〜600万円 |
| 建築と土木を手がける建設会社(千葉)の土木 | 330万〜500万円。新卒を下回らないよう、実質は400万円を超える |
| ユニットバス施工の会社(東京) | 480万円から。上限の目安は550万〜600万円程度 |
| 防水工事の会社(埼玉・川口) | 月25万円に32時間分のみなし残業代を加えた額 |
| 技術者派遣の会社(全国・派遣社員として) | 基本給で月25万円から(賞与と残業代は含まない) |
年収で示している3社の下限だけを見ると、320万〜480万円に分かれました。担当者が間に入る求人の年収レンジの中央値(建築施工管理で500万〜840万円)と比べると、下限の時点で低いところから始まります。差は小さくありません。
月給で示している2社は、金額の中身が違います。川口の会社は25万円にみなし残業代が加わるので、求人票の月給とは単純に比べられません。技術者派遣の会社は派遣社員としての給与なので、建設会社に直接雇われる場合の金額とは分けて見てください。
求人票のレンジの上の数字は、経験者の金額だと読んでください。東京23区の施工管理会社は、未経験320万円から経験者1,000万円までの幅で募集しています。この幅だと、求人票だけでは自分がどこに入るのか分かりません。ユニットバス施工の会社も求人票の上限は900万円ですが、未経験で届くのは550万〜600万円程度までです。求人票の給与欄から自分の入る位置を見当づける方法は、施工管理の求人票の見方にまとめています。
年収と一緒に、時間の使い方を比べる
最初の数年は、年収が下限の近くから始まります。同じ年収でも、仕事にどれだけ時間を取られるかで暮らしは変わります。
未経験を受け入れている会社の働き方も、会社で違いました。月の平均残業は、東京23区の施工管理会社が10時間以下、店舗・クリニックの内装会社が20〜30時間程度、東京のユニットバス施工の会社が30時間強でした。
休日は、KENSETSU-Xの掲載求人のうち、施工管理系で年間休日が書かれていた12,493件の中央値が120日でした(2026年9月18日時点)。これも求人票の数字で、取れた休みの日数ではないので、応募先の年間休日が120日を大きく下回るなら、その理由を面接で聞いてみてください。
資格は入社前から受けられる。2級の第一次検定は17歳以上
年収が経験者の水準に近づいていくのは、資格を取ってからです。未経験から資格までの道筋は、制度で決まっています。
第一次検定は実務経験がなくても受けられる
施工管理技士の試験は、第一次検定と第二次検定に分かれています。2級の第一次検定は、17歳以上(その年度の末時点)なら実務経験がなくても受けられます。2024年度の見直しで、1級の第一次検定も19歳以上なら受けられるようになり、第二次検定の受検資格は学歴と関係しない要件に変わりました(国土交通省、2024年4月1日施行)。新しい受検資格では、卒業した学校や学科は問われません。2028年度までは、学歴による旧受検資格で受けることもできます。
第一次検定に合格すると、「技士補」を名乗れます。2021年4月に施行された建設業法の改正で、技術検定の仕組みが組み直されたためです。
第二次検定は、第一次検定の合格から実務3年以上
2級建築施工管理技術検定では、2024年度からの新しい受検資格の場合、2級の第一次検定に合格してから実務経験3年以上で第二次検定を受けられます(建設業振興基金)。数えられる実務経験は、受ける種目に対応する工事のものに限られます。
例えば、第一次検定を入社前に通しておけば、入社4年目に第二次検定を受けられる計算です。入社1年目に合格した場合は、5年目ごろになります。30代からは何らかの資格を求める会社もあり、千葉の建設会社がそうでした。
資格の費用を会社が持つかを確かめる
資格の勉強と受験には費用がかかります。千葉の建設会社は、入社後に仕事で必要な資格を取ると費用を全額会社が負担し、資格手当もつけています。1級を取った人には、会社が車を用意します。
支援の有無は求人票に書かれていることが多いので、応募先を比べる材料に使えます。
応募の前に、志望理由と夜間・出張の可否、誰に教わるかを詰めておく
応募の前に、なぜ施工管理なのか、夜間と出張を受け入れられるか、最初の1年で誰に教わるかの3つを言葉にしておいてください。どれも選考で聞かれ、入ってから続けられるかにも関わります。
なぜ施工管理なのかを、前職の不満以外で話す
RC造のマンションを手がける建設会社は、完全未経験の人に「なぜ施工管理なのか」の納得感と覚悟を求めています。営業が嫌だから、手に職をつけたいだけ、という理由では通りません。
前職への不満は、転職する理由としては本当でも、施工管理を選んだ理由にはなりません。微経験として話せることと、現場の何に関わりたいのかをつなげて話せるようにしておいてください。
夜間・出張・現場の時間帯を受け入れられるか決めておく
施工管理の1日は、現場の時間帯で動きます。夜間の作業や遠方への出張がどれくらいあるか。ここは会社で違います。
内装の会社のように夜勤が続く現場を持つところもあれば、ユニットバス施工の会社のように工程の都合で夜勤が起きにくいところもあります。夜間の作業をそもそも未経験の社員に任せない会社もあります。東京23区の施工管理会社がそうでした。
入ってから知ると、辞める理由になりかねません。面接では「夜間の作業は年に何回くらいあるか」「出張は何日単位か」を聞いておいてください。休日や残業を面接でどう切り出すかは、施工管理の面接で見られることと聞き方を参考にしてください。
最初の1年で誰に教わるかを聞いておく
教える仕組みも会社ごとに違います。教育資料を用意しているのは東京23区の施工管理会社で、川口の防水工事の会社は職人兼施工管理として段階的に仕事を移します。
面接で聞くのは3つです。最初の配属で誰の下につくのか。何か月目くらいで1人で現場を任される想定なのか。資格の勉強の時間をどう確保しているのか。具体的に答えてもらえれば、入ってから何をするのかを思い描けます。
まとめ
未経験から施工管理への転職では、年齢と、現場に触れた経験の有無で、通る会社がかなり絞られます。そこを先に確かめれば、応募先の選び方は決まります。
20代から30代前半なら、建設会社の未経験枠に正社員で応募できます。30代半ばを過ぎたら、勤務地と業態で入口を探すか、年齢の上限を設けていない技術者派遣から入るほうが近道です。職人から移る道は、20代から30代前半までが目安です。どの入口でも、応募書類と面接では、現場に触れた経験となぜ施工管理なのかを具体的に話してください。
最初の年収は320万〜480万円あたりから始まります。2級の第一次検定を入社前に通しておけば、新しい受検資格では入社4年目に第二次検定を受けられます。そこから逆算して、資格の支援がある会社を選べます。
自分の年齢で入れる会社は、住んでいる地域の施工管理の求人を工種ごとに並べ、「未経験歓迎」と年齢の条件を見比べると絞れます。KENSETSU-Xでは建設業の求人だけを全国から探せて、会員登録をしておくと企業からのスカウトも届きます。微経験となぜ施工管理なのかを書いた応募書類は、履歴書メーカーで作れます。
よくある質問
Q. 文系や高卒でも施工管理になれますか
A. なれます。2級の第一次検定は17歳以上なら学歴や学科を問わず受けられます。2024年度からは、第二次検定の受検資格も学歴と関係しない要件に変わりました。採用する側でも、東京23区の施工管理会社は、学歴に関わらず、社会で活躍したいという意欲と自分で考えて動けるかを見ると話していました。選考で比べられるのは、学歴より、本文で見た年齢の目安と微経験です。
Q. 応募の前に資格を取っておいたほうが有利ですか
A. 必須ではありません。今回話を聞いた会社には、未経験の募集で資格を不要としているところが複数ありました。ただ、2級の第一次検定は実務経験がなくても受けられるので、受けておけば、なぜ施工管理なのかを行動で示せます。合格すれば技士補を名乗れます。入社後に取る資格の費用を会社が負担するかも、あわせて確かめておいてください。
Q. 未経験で入って合わなかったら、施工管理を続けるのは難しくなりますか
A. 難しくはなりません。未経験で入った会社で現場に出た期間は、次の応募で経験として話せます。未経験より微経験を優先する会社があるのは本文で見たとおりで、1年でも現場にいた人は、完全未経験の人より前に並びます。最初の1年のつらさが教わり方の薄さから来ているなら、次の会社では誰の下につくかを先に聞いてください。辞める前に何を確かめるかは[施工管理がきついのは会社か職種か。辞める前の見極め方](https://kensetsu-x.com/knowhow/salary/2001)で整理しています。施工管理の仕事そのものが合わないなら、早めに方向を変えたほうが、ほかの職種でも年齢の目安に間に合います。
出典
- 厚生労働省 一般職業紹介状況(2026年3月分)
- 国土交通省 国土交通白書2025(建設業の年齢構成)
- 株式会社ネオキャリア 施工管理職採用のカギは?採用担当者102名に聞いた実態と成功のポイント
- 厚生労働省 年齢にかかわりない募集・採用のために(例外事由3号のイ)
- 労働施策総合推進法第9条
- 国土交通省 「施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令」等の公布(2023年5月12日)
- 国土交通省 受検資格認定申請(令和6年度からの受検資格の見直し)
- 国土交通省 令和3年度1級土木施工管理技術検定「第一次検定」合格者の発表(技士補)
- 一般財団法人建設業振興基金 2級建築施工管理技術検定(受検資格)
- KENSETSU-X 掲載求人の集計(2026年9月18日時点。施工管理系の掲載求人12,779件、うち月給の下限と上限が書かれていた5工種の求人、担当者サポートつき求人の年収レンジ、年間休日が書かれていた12,493件)
この記事の監修者

高谷 匠
TAKATANI TAKUMI
高谷 匠
TAKATANI TAKUMI
TEAM-X株式会社 取締役COO/一般社団法人建設技能者転職支援協会 代表理事
新卒でリクルートに入社し、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を経て、2025年12月にTEAM-Xへ参画。会社全体の事業戦略と組織構築を統括している。
- 厚生労働大臣許可「建設業務有料職業紹介事業」(許可番号 27-ケ-30001。制度創設から約20年で全国4団体、近畿の団体としては初)を運営する一般社団法人建設技能者転職支援協会の代表理事
- TEAM-X株式会社 取締役COOとして、施工管理・職人の人材紹介から採用コンサルティング・RPOまでの事業戦略と組織構築を統括
- 新卒でリクルートに入社後、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を歴任
この記事の内容と数字は監修者が確認しています。書き方と更新のルールは編集方針に書いています。