この記事でわかること
- 30代後半から40代の経験者は転職市場にあまり出てこないため、どの会社でも足りていない
- 年齢の目安は「40代まで」「49歳まで」と、50歳の手前に置く会社が多い
- 中途の役職と年収の決め方は会社によって分かれ、面接で3つの質問をすれば確かめられる
施工管理は続けたい。でも、いまの会社でいいのか。40代に入って、そう考え始めた。ただ、この年齢で動いても条件が下がるだけではないか、という不安が先に来る。この記事は、そこで止まっている施工管理の経験者に向けて書いています。
建設会社の採用担当から直接聞いた話では、30代後半から40代の経験者はどの会社でも足りていません。若手を採り続けた結果、若手を教える30代・40代が足りなくなった北海道の土木会社もあります。
一方で、採用する年齢の目安を「40代まで」「49歳まで」と、50歳の手前に置く会社が多くあります。中途で入ると役職なしから始まる会社もあります。
この記事では、年齢の目安の実例と、KENSETSU-Xの掲載求人で見る年収レンジ、入社後の立場を面接で確かめる3つの質問を用意しています。
「40代で動いても、条件が下がるだけではないか」。そう迷っている方は、目を通してみてください。
30代後半から40代の経験者は、どの会社でも足りていない
年齢が不利に働く場面は、思っているほど多くありません。建設会社の採用担当と話すと、30代後半から40代の経験者は名指しで探されています。ただ、人手不足という説明だけでは、20代や50代ではなく40代が足りない理由までは分かりません。
40代は施工管理の転職市場にほとんど出てこない
建設業は、若手が少なく年齢の高い人が多い業界です。建設業で働く人のうち29歳以下は11.7%、55歳以上は36.7%でした。全産業ではそれぞれ16.9%と32.4%です(2024年、国土交通白書2025)。
転職を考える人の顔ぶれには、別の偏りがあります。KENSETSU-Xを運営するTEAM-Xで転職の相談を受けている登録者は、20代が約30%、50代が約26%で、この2つの年代だけで半数を超えます。転職の相談に来る人は20代と50代に偏っていて、その間の30代後半から40代が薄いのが実情です。
40代が出てこない理由として、採用担当から聞いた話は2つあります。
1つは、同じ業界の会社に移る理由が薄いことです。関西の中堅ゼネコンの採用担当は、中堅ゼネコンに勤める人はすでに高い年収を得ていることが多く、同業に移るより、発注者側や別の業界に移る人が多いという見方でした。
もう1つは、そもそも業界に残っている40歳前後が少ないことです。全国に拠点を持つ中堅ゼネコンの採用担当によると、リーマン・ショックのあとに業界全体が採用を絞った時期があり、その時期に採られなかった世代は他の業界へ流れていきました。人が少ない分、この層の年収相場は上がっているそうです。
採用側が40代に任せたいのは、若手を育てる役と、現場をまとめる役
採用する側も、この不足には気づいています。北海道で道路・河川・下水道の工事を手がける土木会社は、新卒と若手の中途を採り続けてきた結果、若手は増えたものの、今度は若手を教える30代・40代が足りなくなりました。30代・40代はどこの会社でも少ない、というのがこの会社の認識です。
神奈川と北関東に拠点を持つ建設会社では、グループリーダーと所長がそろって50代です。その下について育つ人がいないため、採用の目安を49歳までに置いて30代・40代を探しています。相模原の建設会社は組織を作っている途中で、所長と所長補佐を40代から50代を中心に探しています。
東京のリフォーム会社に、30代・40代の経験者は市場に少ないと伝えたところ、20代の若手の受け入れも、教育の体制を見直して検討すると話していました。大手ゼネコンの採用担当も、30代から40代前半がいちばん少ない層だと話しています。
求められる役割ははっきりしています。若手を育てることと、現場をまとめることです。面接では担当した現場の数だけでなく、後輩に何を任せ、どう教えてきたかまで話せると伝わりやすくなります。
求人は多い。ただし年収レンジは400万円台から800万円台まで開く
行き先の数は足りています。ただし、年収の幅は会社によって大きく開いています。KENSETSU-Xの掲載求人の集計と、採用担当から聞いた想定年収で、両方を確かめます。
掲載求人で見る工種別の件数と年収レンジ
KENSETSU-Xの掲載求人のうち、施工管理系は12,779件でした(2026年9月18日時点)。工種ごとの件数と、担当者サポートつき求人に書かれた年収レンジは次のとおりです。
| 工種 | 合計 | うち公開求人 | うち担当者サポートつき求人 | 年収レンジの中央値(担当者サポートつき求人) |
|---|---|---|---|---|
| 建築施工管理 | 5,723件 | 5,220件 | 503件 | 500万〜840万円 |
| 土木施工管理 | 4,001件 | 3,876件 | 125件 | 500万〜740万円 |
| 電気工事施工管理 | 1,121件 | 1,027件 | 94件 | 450万〜840万円 |
| 管工事施工管理 | 1,030件 | 991件 | 39件 | 443万〜800万円 |
| 設備施工管理 | 904件 | 813件 | 91件 | 500万〜745万円 |
公開求人と担当者サポートつき求人は別の求人で、2つを足すと合計の列になります。5つの工種を合わせて12,779件です。
年収レンジは、担当者サポートつき求人に書かれた下限と上限それぞれの中央値です。会社が募集のときに書いた数字で、入社した人に支払われた額ではありません。この幅のどこに自分が置かれるかは、会社の決め方しだいです。管工事は年収を書いた求人が39件と少ないので、幅を持って見てください。
施工管理が含まれる建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.65倍(2026年3月、常用でパートを含む。厚生労働省「一般職業紹介状況」)ですが、年齢別の倍率はなく、40代に限った数字ではありません。40代後半になると選べる会社が減ることは、3章で扱います。
採用担当から聞いた想定年収の実例
神奈川と北関東の建設会社は、想定年収を550万〜700万円としつつ、40代で経験が豊富なら750万円も検討すると話していました。想定年収の上限を超えて検討する会社もあるということです。
同じ40代でも、どの額で入れるかは会社の決め方しだいです。その決め方は、入社後の立場と一緒に4章で確かめます。
電話かLINEで30分。費用はかかりません。 会員登録をしておくと、条件に合う求人が届きます。
採用する年齢の目安は「40代まで」とする会社が多い
求められているとはいえ、受け入れる年齢には目安があります。募集で年齢を制限することは法律で原則として認められていないため(労働施策総合推進法第9条)、求人票に年齢の上限は書かれないのが原則です。ただ、社内の年齢構成などから、採用の目安となる年齢を持っている会社はあります。下の表は採用担当が話していた目安で、求人票に書かれた条件ではありません。
採用担当から聞いた年齢の目安
| 会社(エリアと事業内容) | 工種 | 年齢の目安 | あわせて求める経験 |
|---|---|---|---|
| 全国に拠点を持つ中堅ゼネコン | 建築 | 40代まで(50代は厳しい) | 1級建築士か1級建築施工管理技士、経験5年以上 |
| 神奈川と北関東の建設会社 | 建築・電気・管工事 | 49歳まで | 1級を想定、施工管理の実務経験 |
| 東京のリフォーム会社 | リフォーム | 40代後半まで | 2級以上の施工管理技士か建築士、リフォームの経験 |
3社とも、目安を40代のうちに置いています。一方で、資格の有無で目安を変える会社や、年齢の制限を設けていない会社もあります。
50歳を過ぎてから動く場合は、定年までの年数から逆算して会社を選ぶことになります。その考え方は、50代で施工管理の転職をするときの会社の選び方で扱っています。
目安の49歳は、50代の所長の下を埋めるための年齢
1章で紹介した神奈川と北関東の建設会社が目安を49歳に置いているのは、50代のグループリーダーと所長の下を埋めるためです。この会社の場合、受け入れる年齢は社内のどこに空きがあるかで決まっています。
45歳を過ぎても、多くの会社でまだ目安の内側です。ただ、前半にはなかった引っかかりが出てきます。次の章で扱う、入社後の役職の扱いです。動くかどうか迷っているなら、40代前半のうちに求人を見ておくと、選べる会社が多いうちに判断できます。
40代で差がつくのは、入社後の役職と年収の決め方
入ってから「話が違う」と感じやすいのは、仕事の中身より立場と年収です。どちらも、応募の段階で確かめられます。
中途の役職は、一般職から始まる会社と課長・主任クラスで入れる会社に分かれる
中途で入った人をどの役職に置くかは、会社によって大きく違います。
関西の中堅ゼネコンでは、中途で入った人は原則として役職のない一般職から始まり、役職に就くまで数年かかります。入社が40代後半だと、同じ年代の社員はもう昇格しています。自分だけが一般職、という状態です。前の会社で現場代理人や所長を務めてきた人も、この会社では同じ扱いです。
大手ゼネコンでは、年齢に応じて課長や主任のクラスで入る例があります。いきなり工事所長として入ることはまずありませんが、中途で入った人も分け隔てなく評価していて、副本部長まで上がった人もいるそうです。
現場代理人や所長をしてきた人ほど、入社したときの役職を先に確かめてください。
年収にも同じような社内の基準があり、中途で入る人の提示額を社内のプロパー社員の水準までにする会社もあります。
面接で確かめる3つの質問
全部を一度に聞く必要はありません。1つ目だけでも、入社したあとの自分の位置が見えてきます。
| 質問 | 確かめること |
|---|---|
| 中途で入った人は、どの役職から始まり、何年で次の役職に上がっていますか | 役職がリセットされるか、昇格までの年数 |
| 社内の同じ立場の社員と比べて、提示額はどのあたりですか | 年収が社内の社員の水準に合わせて決まるか |
| 退職金や勤続で増える手当は、中途で入った場合どう計算されますか | 提示額に表れない差 |
3つ目の退職金は、提示額には出てこない差です。勤続年数で積み上がる退職金や手当は、提示された年収には表れません。転職すると退職金が目減りすることもあるので、年収が上がっても、差し引きで得になるとは限りません。
条件を上げてもらう交渉として切り出すより、入社後に任される範囲を確かめる質問として聞くほうが、相手も具体的に答えやすくなります。KENSETSU-Xの担当者サポートつき求人(施工管理系で852件、2026年9月18日時点)なら、こうした扱いを応募の前に担当者から会社に確かめられます。
評価されるのは年数より、その会社の工事規模に合う経験
経験年数の条件なら、この年代はたいてい満たしています。差がつくのは、どの規模の工事をどの立場で持ってきたかです。
相模原の建設会社は、超大規模な工事の経験より、数億円から10億円規模の現場を管理してきた経験を重く見ています。関西の中堅ゼネコンは、小さな規模の工事だけの経験では厳しいとしていて、戸建て住宅だけを続けてきた経歴は、仕事の中身が違うため対象外です。
全国に拠点を持つ中堅ゼネコンは3億〜5億円の案件が中心で、改修の経験が長い人は最初からリニューアル専門の部隊に配属しています。反対に東京のリフォーム会社では、ゼネコンでの経験や原状回復だけの経験は合わず、施主に提案できるかを見ています。大きな工事の経験が、そのまま強みになるとは限りません。
経験は、4つに分けて書き出します。
- 請負金額(担当した工事の規模)
- 構造(RC造・S造・木造など)
- 新築か改修か
- 立場(担当者・現場代理人・所長)
応募先の中心になっている工事の規模と、この4つが重なるかを見てください。求人票の応募条件は広く書かれていても、選考では資格と経験で絞っている会社があります。
書き出した4つは、職務経歴書の工事経歴にそのまま使えます。並べ方は、施工管理の職務経歴書の書き方に見本があります。
40代で未経験から施工管理を目指すなら、入口はかなり狭い
40代でまったくの未経験から施工管理として受け入れる会社は、多くありません。
この記事で取り上げた会社のうち、関西と全国に拠点を持つ2つの中堅ゼネコンと、神奈川と北関東の建設会社は、いずれも未経験を受け入れていません。20代の若手の受け入れを検討している東京のリフォーム会社も、いまは経験者を採っています。
建設の現場に近い仕事をしてきた人のほうが、まったくの未経験より選考に進みやすくなります。目指すなら、求人を探す前に、これまでの仕事で現場に関わった経験を書き出しておきましょう。求人を見るときは「未経験可」の表示とあわせて、年齢の条件を先に確認します。
まとめ
30代後半から40代の施工管理経験者は、転職市場にあまり出てこない年代です。そのため、どの会社でも足りていません。40代前半なら、年齢を理由にためらう必要はほとんどありません。後半は選べる会社が減るので、早めに求人を見てください。
40代後半になると、年齢の目安を40代のうちに置く会社が多いうえ、役職の扱いが合わない会社も出てきます。年収は会社の想定年収の幅で変わり、提示額を社内の社員の水準までにする会社もあります。面接では、入社したときの役職と昇格までの年数を最初に聞いてください。
40代で会社を移ると、次の会社で定年まで15年から20年ほど働くことになります。その前に、いまのきつさが転職で解消するものかを確かめておきたいなら、施工管理がきついのは会社か職種か。辞める前の見極め方が参考になります。
KENSETSU-Xでは、施工管理の求人を工種と勤務地で絞り込めます。まずは自分の工種と、転勤できる範囲の勤務地で求人を見てください。会員登録をしておくと、経歴を見た企業からスカウトも届きます。
よくある質問
Q. 40代後半や50歳を目前にしても、施工管理の転職はできますか
A. できます。ただし、選べる会社は40代前半より少なくなります。この記事で取り上げた会社の多くは、年齢の目安を40代のうちに置いていました。一方で、30代から40代前半が市場にいちばん少ないことから、50代半ばまで採用している大手ゼネコンもあります。この会社は、1級がない人には5億円以上、できれば数十億円規模の工事経験を求めています。年齢に加えて、応募先の工事規模に合う経験を持っているかが問われます。
Q. 転勤ができない40代でも、選べる会社はありますか
A. あります。相模原を拠点にする建設会社は転勤や長期出張がなく、40代から50代を中心に探しています。北海道の土木会社も勤務地を本人の希望で決めていて、転勤や長期出張は基本的にありません。逆に、総合職として採用するため、勤務エリアを限りたい人は採らないという中堅ゼネコンもあります。応募の前に、総合職の採用か、勤務地を限った採用かを確かめてください。
Q. 1級を持っていない40代は、転職で不利になりますか
A. 会社によって違います。1級を前提にしている会社がある一方で、実務経験があれば資格を問わない会社もあります。首都圏と関西で公共工事を中心に手がける建設会社は、1級か2級が望ましいとしながら、資格がなくても同じだけの実務経験があれば応募できるとしています。40代で資格がないなら、資格を問わない会社を選び、担当した工事の規模と立場を具体的に書いて補ってください。
出典
- 国土交通省 国土交通白書2025(建設業の年齢構成)
- 厚生労働省 一般職業紹介状況(2026年3月分)
- 労働施策総合推進法第9条
- KENSETSU-X 掲載求人の集計(2026年9月18日時点。施工管理系の掲載求人12,779件、うち担当者サポートつき求人852件の年収レンジ)
- TEAM-X 登録者の年齢構成(社内データ)
この記事の監修者

高谷 匠
TAKATANI TAKUMI
高谷 匠
TAKATANI TAKUMI
TEAM-X株式会社 取締役COO/一般社団法人建設技能者転職支援協会 代表理事
新卒でリクルートに入社し、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を経て、2025年12月にTEAM-Xへ参画。会社全体の事業戦略と組織構築を統括している。
- 厚生労働大臣許可「建設業務有料職業紹介事業」(許可番号 27-ケ-30001。制度創設から約20年で全国4団体、近畿の団体としては初)を運営する一般社団法人建設技能者転職支援協会の代表理事
- TEAM-X株式会社 取締役COOとして、施工管理・職人の人材紹介から採用コンサルティング・RPOまでの事業戦略と組織構築を統括
- 新卒でリクルートに入社後、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を歴任
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