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職人の資格は何から取るか|求人票に多い電気工事士・車両系・玉掛けと講習の費用

公開 2026.10.26

監修者 高谷 匠

執筆:KENSETSU-X編集部監修:高谷 匠
記事の内容は、職業紹介の担当者が確認しています。

職人の資格は何から取るか|求人票に多い電気工事士・車両系・玉掛けと講習の費用

この記事でわかること

  • 職人の掲載求人18,407件のうち、資格を必須にしているのは約13%(普通免許の欄を除く)。資格欄に多いのは第二種電気工事士、車両系建設機械、中型免許、第一種電気工事士、玉掛けの順
  • 特別教育・技能講習・免許の違いは扱う機械の大きさで決まり、講習の日数と料金は持っている免許で変わる(登録教習機関の料金表の例つき)
  • 電気の仕事なら第二種電気工事士、それ以外は運転免許、車両系建設機械、玉掛けの順に取ると応募先が広がる。会社の資格取得支援で聞く4つのこと

職人の求人を見ていると、「車両系建設機械 必須」「玉掛け あれば尚可」と資格の名前が並んでいます。どれも持っていない状態で応募していいのか、先に何か取っておくべきか。そこで迷っている人に向けた記事です。

先に結論を書きます。KENSETSU-Xに掲載中の職人の求人18,407件(2026年10月23日時点)のうち、資格を必須にしている求人は約13%でした。普通自動車運転免許は求人票で別の欄になっていて、この割合には入っていません。普通免許を除けば、資格がなくても応募できる求人のほうがずっと多いということです。

そのうえで、求人票の資格欄に名前が多く書かれていたのは、第二種電気工事士、車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)、中型自動車免許、第一種電気工事士、玉掛けの順です。電気の仕事に就くなら第二種電気工事士が入口になります。それ以外の職種なら、運転免許を前提に、車両系建設機械と玉掛けの技能講習を先に取ると、応募できる求人が広がります。

この記事では、求人票の資格欄を数えた結果をもとに、取る順番と、講習の日数・費用の例、会社の資格取得支援の確かめ方をまとめました。

職人の求人で資格を必須にしているのは約13%。資格欄の多くは「あれば歓迎」

KENSETSU-Xの掲載求人のうち、求人票の項目が決まった形で入っているハローワーク求人38,147件を数えました(2026年10月23日時点)。そのうち職人の4つの職種グループ(躯体系・仕上げ系・設備系・土木・基礎系)は合わせて18,407件です。

必須にしている割合は、仕上げ系で2.1%、土木・基礎系で16.8%

求人票の「必要な免許・資格」欄で、資格を「必須」と書いている求人の割合をグループごとに出すと、次のようになりました。普通自動車運転免許は別の欄なので、この割合には入っていません。

職種グループ 求人の件数 資格を必須にしている割合
躯体系職人(鳶・大工・型枠・鉄筋・解体など) 2,910件 5.4%
仕上げ系職人(内装・塗装・防水・左官など) 1,917件 2.1%
設備系職人(電気工事・配管・通信設備) 5,640件 16.5%
土木・基礎系(土工・重機オペレーター・舗装・造園) 7,940件 16.8%

4グループの割合を件数で重みづけして計算すると、全体では約13%です。仕上げ系では50件に1件ほど、鳶や大工を含む躯体系でも20件に1件ほどしかありません。

必須の割合が高い設備系と土木・基礎系は、電気工事や重機の運転など、資格がないと法律上できない作業を含む職種です。資格欄が空いている求人や、「あれば尚可」と書かれている求人には、資格を持っていなくても応募できます。

「必須」と書いた求人のほかに、未経験向けの求人を出している会社もある

求人票の「必須」は、その求人の枠についての条件です。会社全体の条件とは限らない。

施工管理と現場の作業員を全国で募集している産業洗浄・メンテナンスの会社は、「未経験OK」の求人と「有資格者向け」の求人を分けて出しています。採用担当から直接聞いた話では、資格を必須と書いた求人は出し分けによるもので、実際に受け入れている人の幅はもっと広いそうです。気になる会社の求人が「必須」だけだったら、同じ会社がほかに出している求人も開いてみてください。

資格より経験を先に見る会社もあります。茨城に事務所を置く電気工事の会社は、電気工事の経験2年以上を条件にしている一方で、資格は問わず、入社後に会社の補助で電気工事士を取ってもらう方針でした。

ただ、資格を必須にしている約13%の求人には、資格がないと応募できません。重機の運転や電気工事の求人が多く含まれます。次の章で、どの資格の名前が多いのかを見ます。

職人の求人票に多い資格は、電気工事士、車両系建設機械、運転免許、玉掛け

職人の求人18,407件の「必要な免許・資格」欄に書かれた名前を数えました。1件の求人に最大3つまで書けるので、1件で複数の資格が数えられていることがあります。

免許・資格(求人票の表記) 書かれていた件数 うち「必須」
第二種電気工事士 1,980件 620件
車両系建設機械(整地・運搬・積込用及び掘削用)運転技能者 1,490件 531件
中型自動車免許 1,089件 238件
第一種電気工事士 896件 137件
玉掛技能者 836件 113件
2級土木施工管理技士 753件 112件
準中型自動車免許 711件 240件
大型自動車免許 688件 97件
大型特殊自動車免許 542件 190件
車両系建設機械(基礎工事用)運転技能者 394件 101件
移動式クレーン運転士 373件 152件
小型移動式クレーン運転技能者 369件 47件
車両系建設機械(解体用)運転技能者 361件 110件
フォークリフト運転技能者 215件 32件
足場の組立て等作業主任者 150件 19件

必須と書かれる割合は、資格によって3倍ほど違う

件数のうち「必須」が占める割合を計算すると、資格によって差があります。移動式クレーン運転士は約41%(373件中152件)、車両系建設機械(整地・運搬・積込用及び掘削用)は約36%、大型特殊自動車免許は約35%、準中型自動車免許は約34%でした。

一方、玉掛けは約14%(836件中113件)、小型移動式クレーンは約13%(369件中47件)、大型自動車免許は約14%(688件中97件)です。この3つは、8割以上の求人が「必須」ではない書き方をしています。

玉掛けと小型移動式クレーンは、応募の時点で持っていなくてもよいとしている求人が多い資格です。先に取っておけば歓迎されますが、持っていないことで応募できる求人が大きく減るわけではありません。

運転免許の名前が6種類ある

表には、中型、準中型、大型、大型特殊の4つの運転免許が入っています。表の外にも、8トン限定中型自動車免許(265件)と5トン限定準中型自動車免許(95件)がありました。名前が似ていて紛らわしいので、運転免許の区分はこの記事の後半でまとめます。

電気工事士は電気の求人、施工管理技士は施工管理に移るときの資格

第二種電気工事士は1,980件で、職人の求人で最も多く書かれていました。電気工事の作業には、電気工事士でないとできない範囲があります。配管や内装の仕事を考えている人が、最初に取る資格ではありません。

2級土木施工管理技士(753件)や1級土木施工管理技士(407件)も、職人の求人の資格欄に出てきます。施工管理技士は工事の管理をする人の資格で、職人から施工管理に移るときに役に立ちます。2級で応募できる施工管理の求人の幅は、2級施工管理技士の転職|1級を待つ前に年齢の上限を見るで扱っています。

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特別教育・技能講習・免許の違いは、扱う機械の大きさで決まる

資格の名前を見て迷うのは、同じ機械でも「特別教育」「技能講習」「免許」と呼び方が変わるからです。どれが要るかは、労働安全衛生法と関係する政令・省令で、機械の大きさごとに決まっています。

同じ機械でも、大きさで要る資格が変わる

作業 特別教育で就ける範囲 技能講習・免許が要る範囲
油圧ショベル・ブルドーザーなどの運転 機体重量3トン未満 3トン以上は技能講習
移動式クレーンの運転 つり上げ荷重1トン未満 1トン以上5トン未満は小型移動式クレーンの技能講習、5トン以上は移動式クレーン運転士免許
玉掛け つり上げ荷重1トン未満のクレーンなど 1トン以上は技能講習
フォークリフトの運転 最大荷重1トン未満 1トン以上は技能講習
高所作業車の運転 作業床の高さ10メートル未満 10メートル以上は技能講習

(労働安全衛生法施行令第20条、労働安全衛生規則第36条、クレーン等安全規則第68条・第221条・第222条)

求人票に「車両系建設機械」と書かれていれば、3トン以上の機械に乗る技能講習のことです。3トン未満の機械だけなら特別教育で乗れますが、求人の資格欄に書かれるのは、ほとんどが技能講習か免許のほうです。

特別教育は会社を通じて受け、技能講習は個人でも申し込める

特別教育は、危険な業務に労働者を就かせるときに、会社が行わなければならない教育です(労働安全衛生法第59条第3項)。会社の中で行うこともあれば、外部の講習に行かせることもあります。

技能講習は、都道府県労働局長の登録を受けた教習機関が行う講習で(同法第61条第1項・第77条)、受講の条件がないコースなら個人でも申し込めます。免許は、免許試験に合格するなどして受けるもので(同法第61条第1項・第72条)、移動式クレーン運転士がこれにあたります。

ここでいう運転は現場の中での運転です。重機やクレーン車で公道を走るには、道路交通法の運転免許が別に要ります。電気工事士はこれとは別の法律(電気工事士法)による国家資格で、試験に合格して都道府県知事から免状を受けます。

運転免許は普通免許が前提。トラックに乗る求人は準中型と中型を見る

KENSETSU-Xの掲載求人38,147件(施工管理などを含む全職種)では、普通自動車運転免許を「必須」としている求人が27,791件、72.9%でした。「あれば尚可」は4,339件(11.4%)、欄に記載がない求人は6,017件(15.8%)です。ほかのどの資格よりも、運転免許は応募の前提として書かれています。

普通免許で運転できるのは車両総重量3.5トン未満

普通免許で運転できる車の範囲は、2017年3月12日の改正道路交通法の施行で狭くなりました。いまの区分は次のとおりです(警察庁)。

免許 運転できる車(車両総重量) 取れる条件
普通免許 3.5トン未満(最大積載量2トン未満) 18歳以上
準中型免許 7.5トン未満(最大積載量4.5トン未満) 18歳以上。普通免許がなくても取れる
中型免許 11トン未満(最大積載量6.5トン未満) 20歳以上、普通免許などを2年以上
大型免許 11トン以上 21歳以上、普通免許などを3年以上

準中型免許は、教習所で最短17日の教習で取れます(普通免許は最短15日)。

求人票の「8トン限定」「5トン限定」は、普通免許を取った時期で決まる

求人票に出てくる「8トン限定中型」と「5トン限定準中型」は、2007年と2017年の改正より前に普通免許を取った人の免許で、取った時期によって乗れる車の重さが違います(大阪府警察)。免許証の種類の欄を見たうえで、応募する会社でどの車に乗るかを聞き、車検証の車両総重量が自分の免許の範囲に入るかを確かめてください。

準中型と中型は、職人の求人の資格欄でそれぞれ711件と1,089件書かれていました。トラックを運転する仕事に就くなら、技能講習より先に、乗る車の大きさに合わせて準中型か中型を考えてください。

電気以外の職種なら、車両系建設機械と玉掛けを先に取る

電気の仕事以外で、技能講習の中から先に取るなら、車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)と玉掛けです。車両系建設機械は職人の求人の資格欄に1,490件、玉掛けは836件書かれていて、技能講習の中で上位の2つでした。車両系建設機械は、第二種電気工事士に次いで資格欄に多く書かれていた名前です。

講習の日数と料金は、持っている免許で変わる

講習の料金は教習機関によって違い、同じ機関でも受講の条件ごとにコースが分かれています。ここでは1つの例として、千葉県の登録教習機関であるコベルコ教習所 市川教習センターが公表している、2026年10月から2027年3月の料金表を引きます。料金は消費税とテキスト代を含みます。

技能講習は登録を受けたほかの教習機関でも開かれているので、受けるときは通える範囲の機関の料金と日程を比べてください。

講習(受講の条件) 日数・時間 講習料金
車両系建設機械(整地等)運転技能講習(条件なし) 6日・38時間 115,000円
同(大型特殊免許を持つ人、普通免許があり3トン未満の特別教育のあと3か月以上運転した人など) 2日・14時間 47,000円
小型車両系建設機械(整地等)運転特別教育 2日・13時間 20,000円
玉掛け技能講習(条件なし) 3日・19時間 30,000円
小型移動式クレーン運転技能講習(条件なし) 3日・20時間 53,000円
小型移動式クレーン運転技能講習(玉掛け技能講習の修了者など) 3日・16時間 48,000円
車両系建設機械(解体用)運転技能講習(整地等の技能講習の修了者など) 1日・5時間 26,000円

(コベルコ教習所 市川教習センター「講習と料金」2026年10月〜2027年3月)

表から分かることは3つです。

1つ目は、普通免許を持っているだけでは、車両系建設機械の短いコースに入れないことです。2日のコースに入るには、大型特殊免許を持っているか、普通免許に加えて3トン未満の特別教育を受けてから3か月以上運転した経験があるなどの条件が要ります。経験は会社の証明が必要です。

会社に入って小型の重機に3か月乗ってから技能講習を受けたとします。この料金表では、日数は6日から2日に、料金は115,000円から47,000円に下がります。差は68,000円です。

2つ目は、玉掛けを先に取ると、小型移動式クレーンの講習が4時間短くなり、料金も5,000円下がることです。クレーンで荷をつるには、運転する人のほかに、荷にワイヤーを掛ける玉掛けの人が要ります。2つを続けて取ると、1人でできる作業が増えます。

3つ目は、車両系建設機械(整地等)を取っておくと、解体用が1日で取れることです。解体用は、職人の求人の資格欄に361件(うち必須110件)書かれていました。

資格を取ったあと、どの機械に乗れるかは会社で違う

資格を取っても、乗る機会がなければ経験は積めません。関東の現場を中心に、プラントの工事を得意とする建設会社では、重機を約200台持っています。採用担当は、先輩が引退するまで乗る順番を待つことがなく、腕のある人には大きな重機に乗ってもらえると話していました。

面接では、「入社して何か月くらいで、何トンの機械に乗ることになりますか」と聞いてみてください。持っている台数や、オペレーターが何人いるかも、乗れるまでの期間の手がかりになります。

足場の組立て等作業主任者(150件)の技能講習は、18歳になってから足場の組立てや解体などの作業に3年以上たずさわった経験がないと受講できません。鳶として働き始めてから、経験を積んで取る資格です。

電気の仕事なら、第二種電気工事士が入口。受験資格はなく年2回受けられる

電気工事の職人として働くなら、最初に取る資格は第二種電気工事士です。職人の求人の資格欄で1,980件と最も多く、そのうち620件が必須でした。第一種電気工事士も896件書かれています。

第二種で就けるのは住宅や店舗の電気工事

第二種電気工事士は、一般住宅や商店など、低圧で受電する建物の屋内配線などの工事に従事できます。第一種は、それに加えて、最大電力500キロワット未満の工場やビルの電気設備の工事に従事できます(電気技術者試験センター)。

第一種は、試験に合格したうえで3年以上の実務経験がないと免状を受けられません。まず第二種を取り、電気工事の経験を積んでから第一種に進む順番になります。

試験は学科と技能の2段階で、受験手数料は11,100円

第二種電気工事士の試験は、学科試験と技能試験の2段階です。学科試験は四肢択一で、会場のパソコンで解くCBT方式か、マークシートの筆記方式を選びます。技能試験は、学科試験に合格した人(学科試験を免除された人を含む)が、自分で持ち込んだ工具を使い、配線図の課題を時間内に仕上げる試験です。技能試験の候補問題は事前に公表されています。

受験資格に実務経験は要りません。令和8年度は上期と下期の2回で、上期は学科試験が4月から6月、技能試験が7月、下期は学科試験が9月から11月、技能試験が12月でした。受験手数料はインターネットで申し込むと11,100円、郵送の書面申込みは12,500円です。合格したら、住んでいる都道府県の知事に免状の交付を申請します。

電気の会社には、資格を条件にするところと、経験を先に見るところがある

大阪の南河内で店舗などの非住宅の工事を手がける会社は、電気工事の職人を第二種電気工事士程度の資格がある経験者に限って募集していました。同じ会社でも、給排水の配管工は未経験から採っています。

先ほどの茨城の電気工事の会社は逆で、資格は問わず、経験2年以上を条件にしていました。この会社は年齢の上限を45歳に置いていて、年齢が高いと資格を取る意欲が薄いという見方を理由に挙げていました。1社の話ですが、資格を入社後に取る前提の会社でも、取る気があるかは見られています。

電気の職人を目指す人は、第二種電気工事士を先に取っておくと、資格を条件にしている会社にも応募できます。まだ取れていなければ、面接で受験の予定と勉強の進み具合を話してください。取る気があるかを見ている会社には、それが判断の材料になります。

移動式クレーンの免許は、経験を積んでから2段目に取る

移動式クレーン運転士は職人の求人で373件書かれ、そのうち約41%の152件が必須でした。必須の割合は表の中でいちばん高い資格です。つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンを運転するための免許で、技能講習とは取り方が違います。

免許試験に合格するか、学科合格のあと実技教習を受ける

移動式クレーン運転士免許は、免許試験に合格するか、学科試験に合格してから1年以内に登録教習機関の実技教習を修了すると受けられます(クレーン等安全規則第229条)。18歳未満は免許を受けられません。

試験を行う安全衛生技術試験協会の試験手数料は、学科試験が8,800円、実技試験が14,000円です。実技を教習で済ませる場合、先ほどの料金表の例では、実技教習に学科の講習を合わせたコースが135,000円でした。学科試験の手数料は別にかかります。

まず小型移動式クレーンの技能講習で5トン未満のクレーンに乗り、現場で経験を積んでから免許に進む順番が現実的です。大型特殊自動車免許(542件、うち必須190件)も、前の章で見たとおり、持っていると車両系建設機械の技能講習が2日のコースになる免許です。どちらも、重機の仕事に就いてから、会社と相談して取る順番を決めてください。

会社の資格取得支援は「どこまで・いつ・辞めたら」を聞く

講習の費用は1つで数万円です。会社がどこまで出すかで、手元に残るお金は大きく変わります。

KENSETSU-Xが建設業で働いたことがない20〜40代の400人に行ったアンケートでは、仕事選びで「資格取得を支援してくれる」を重視すると答えた人は12.3%でした(KENSETSU-X調べ)。「週休2日」の51.3%と比べると4分の1以下です。建設業で働いたことがない人の多くは、仕事を選ぶ段階では資格取得の支援をあまり重く見ていないということです。先ほどの料金表の例では、技能講習は1つ2万円台から10万円台でした。

求人票の「資格取得支援」は中身まで聞く

求人票に「資格取得支援あり」「資格取得費用 会社負担」と書かれていても、範囲は会社で違います。先ほどの産業洗浄・メンテナンスの会社は、仕事に必要な資格の費用を会社が全額負担し、資格手当も出していました。ただ、どの資格まで出すのか、講習の日をどう扱うのかは、求人票の一行からは分かりません。

面接や内定後の条件確認で、次の4つを聞いてください。

  1. 「費用を会社が出すのはどの資格ですか。技能講習だけですか、準中型や大型などの運転免許も入りますか」
  2. 「講習を受ける日は出勤扱いになりますか。日当は出ますか」
  3. 「資格を取ったあと、資格手当は出ますか。いくらですか」
  4. 「資格を取ってすぐに辞めた場合、費用を返す決まりはありますか」

3トン未満の小型の重機に乗る特別教育は、会社が行う決まりになっている教育です。入社してすぐ小型の重機に乗る仕事なら、その特別教育を会社がどう行うかも聞いておくと、そのあと技能講習に進むまでの道筋が見えます。

KENSETSU-Xでは、「資格取得」の語で求人を検索できます。職種ごとの仕事の中身や給与の違いは、職種図鑑で比べられます。

取った資格の履歴書への書き方は、別の記事で扱います。

まとめ

KENSETSU-Xに掲載中の職人の求人18,407件(2026年10月23日時点)のうち、資格を必須にしているのは約13%です(普通自動車運転免許の欄は別)。資格がなくても応募できる求人のほうが多く、資格は入ってから取ればよいとする会社もあります。

それでも、先に取っておくと応募できる求人は広がります。電気の仕事なら第二種電気工事士が入口で、受験資格はなく年2回受けられます。それ以外の職種なら、まず運転免許です。2017年3月12日以降に普通免許を取った人は3.5トン未満しか運転できないので、トラックに乗る仕事なら準中型免許を考えてください。その次が車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)と玉掛けの技能講習です。

講習の日数と料金は、持っている免許や経験で変わります。車両系建設機械は、条件なしのコースで6日・115,000円、会社で小型の重機に3か月以上乗ってからなら2日・47,000円という例がありました。移動式クレーンの免許や作業主任者は、経験を積んでから取る資格です。

どの順番で取るにしても、費用を自分で出すか会社に出してもらうかで、負担は大きく変わります。応募先を選ぶときは、資格取得支援の範囲と、講習の日の扱い、辞めたときの決まりまで聞いてください。職人として会社を選ぶときの探し方は、職人の転職は会社選びから|エージェントで探せない理由と探し方にまとめています。

よくある質問

Q. 資格を何も持っていなくても、職人の求人に応募できますか

A. できます。資格がなくても応募できる求人が大半です。KENSETSU-Xに掲載中の職人の求人18,407件(2026年10月23日時点)のうち、資格を必須にしているのは約13%でした。仕上げ系の職種では2.1%、鳶や大工などの躯体系では5.4%です。ただ、普通自動車運転免許はこの割合とは別の欄で、施工管理なども含む掲載求人全体では7割ほどが必須にしています。運転免許だけは先に確かめてください。

Q. 技能講習は、就職する前に自分で受けてもいいですか

A. 受けられます。玉掛けや車両系建設機械の技能講習には、受講の条件がないコースがあり、個人でも申し込めます。ただし、車両系建設機械の短いコースに入るには、大型特殊免許か、会社で小型の重機に乗った経験の証明などが要ります。普通免許だけを持って個人で受けると、長いコースになります。入社後に会社の費用で受けられる場合もあるので、応募先が決まっているなら、先に会社に聞いてから申し込むほうが負担は少なくなります。

Q. 3トン未満の特別教育を受けていれば、3トン以上の重機にも乗れますか

A. 乗れません。機体重量3トン以上の車両系建設機械を運転するには、技能講習の修了が必要です。特別教育で就けるのは3トン未満の機械の運転だけです。ただ、特別教育を受けて3か月以上運転した経験があると、普通免許などを持っている人は技能講習の短いコースを受けられます。

Q. 第二種電気工事士の試験は、電気の仕事をしたことがなくても受けられますか

A. 受けられます。受験資格に実務経験は要りません。試験は学科試験と技能試験の2段階で、技能試験の候補問題は事前に公表されています。第一種電気工事士のほうは、試験に合格しても3年以上の実務経験がないと免状を受けられないので、電気の仕事を始めてから進む資格になります。

出典

この記事の監修者

高谷 匠

高谷 匠

TAKATANI TAKUMI

TEAM-X株式会社 取締役COO/一般社団法人建設技能者転職支援協会 代表理事

新卒でリクルートに入社し、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を経て、2025年12月にTEAM-Xへ参画。会社全体の事業戦略と組織構築を統括している。

  • 厚生労働大臣許可「建設業務有料職業紹介事業」(許可番号 27-ケ-30001。制度創設から約20年で全国4団体、近畿の団体としては初)を運営する一般社団法人建設技能者転職支援協会の代表理事
  • TEAM-X株式会社 取締役COOとして、施工管理・職人の人材紹介から採用コンサルティング・RPOまでの事業戦略と組織構築を統括
  • 新卒でリクルートに入社後、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を歴任
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